Pianism

久々に作曲をしてみた。といっても微々たる程度ですが。
透明な旋律が出来ました。序々に愛着が湧いてきて、そのうちひとつの曲として形になるのでしょう。


さて、最近のナイト・ミュージックにはこれが活躍しています。



現代ピアニストの奇才中の奇才、グレン・グールド
50歳くらいまで生きましたが、30歳あたりでコンサートからの「ドロップアウト」を宣言し、
その後の20年、ひたすらスタジオに籠ってCDを作り続けたというのはあまりにも有名な話だけど、
それではこの人のラスト・コンサートがどういった雰囲気だったのか?
というのはあまり知られていない気がする。


極めて普通だったそうです(笑)


逆に、あまりに普通だったから、聴衆はまさか今夜がグールドのラストコンサートになるとは思わなかっただろうし、
グールド自身も特にそういうつもりでコンサートをしたわけではなく、たまたまその日のコンサートがラストになってしまった、
ということなのでしょう。
グールド自身は若い頃から「(コンサートツアーに忙しい)今の生活をずっと続ける気はない」と公言してたらしいので、序々にコンサートを減らしていって、その日がはからずも最後のコンサートになってしまった…みたいな。

録音でうなり声が聞こえたり(キース・ジャレットほどではないけど笑)
ある楽曲を既存の解釈の2倍速のテンポで弾いてみたり
コンサートで椅子の高さ調整に1時間かけたり
そんなエピソードばかりを聞いていたので、ラストコンサートが普通だったというのは少し微笑ましい気がします。


上で紹介したCDですが、非常に不思議なピアノの音がします。
硬質ではなく、柔らかくもない。ではクセの無い音なのかというと、そうでもない。
何か圧倒的な力が音にあるのに、、、それが言葉でうまく表現できないのがもどかしい。
耽美的でもないし、あっさりでもない。
とにかく、絶妙なバランスで音楽が成り立っていると思います。


最近マーク・ロスコーという現代アメリカを代表する画家の絵画展に行ったんですが、
そのときに
「神聖な体験も、俗っぽい体験も、全部ここにあるよ」
というロスコーの自作(及び自作によって作られる空間)に対するコメントがありました。
グールドのブラームスを聴いてて何となくロスコーを思い出した。


ところで、最近の一番の驚きは、図書館ってこんな便利なヤツだったのか。ということです。