In an effective way

お久しぶりです。


毎日が相変わらずせわしなく過ぎていく。
東京というのは時間の流れがどうも性急に感じられるという怖い街で、
ある意味それは楽なことでもあるのだが、自分の立ち位置をはっきり意識していないと、自分が何かから切り離されたような感覚に陥ってしまう。
Don't put off till tomorrow what you can do today.
という言葉は中高時代の僕の金科玉条(?)として机に貼られていたのだけど、
今の僕にこそこの言葉が必要なようだ。put offしまくりである。


久々に家でピアノの基礎フレーズを延々と繰り返すトレーニングをした。
ここ半月ほど純粋な楽器の演奏技術を磨く練習をしていなかったから予想はしていたけれど、
見事にヘタになっていた。
自分の指の筋肉は親指・人差し指・中指が発達している割に、薬指と小指が弱い。
その弱さに拍車がかかっていた。小学生でも上手い子なら僕より薬指・小指は動きそう。情けない話だ。


ジャズ・ピアノ界の至宝、ハンク・ジョーンズのインタビューに忘れられない言葉がある。
「80歳を超えても、毎日練習している。一日練習しなければ、自分にバレる。二日しなければ、嫁にバレる。三日しなければ、仕事が来ない。」


こういう発言を目にすると、やはり自分は純粋な演奏家には向いていないなぁという気もしてくる。
毎日練習とか、確実に狂ってしまう。
と書いていて思ったのだが、昔はむしろ毎日練習したくてたまらなかった。
旅行に行くと聞けば、その間ピアノが弾けなくて辛いなぁ…と思うほどだった。今は喜んで温泉に行きますけど。


最近の意識としては、そういう技術云々の話はひとまず置いといて、
人生における様々な経験を、自分なりに咀嚼しつつ、そういったものから浮き出てくるものを音として表現したいと思っている。
こう書くと楽器に実に習熟しているように聞こえるが、残念ながらそういうことではない。忍びねえ。構わんよ。ってね。
もういい大人と言えばいい大人の年齢になってしまったので、今まで培ってきたテクニックを土台に、表現できることを最も効率的に表現したいという思いが強くなっている。


世界で一番尊敬しているベーシスト、Kさんに初めて出会ったときに言われたのは
「音楽以外の時間を大切にしなさい」。
今になって、自分の心に重く響いてくる。
彼と、ミュージシャンの聖地で一緒に音を鳴らすことはできるのか?
あと1週間ほど、胃の痛い日々を過ごすことになりそうです。