レコーディング記:7
11日
この日は生のピアノ類を録るため、初めて明石スタジオを出てサウンドクルースタジオへ。
スタジオに入るや否や、生のローズ・ウーリッツァーがセッティングされており、テンションは一気にアップ。
ここ数年で一気にウーリッツァーホリックになった自分。この名器をレコーディングで使えるなんて最高。
もう一つのブースではグランドピアノが調律されている最中。
というわけで、まずウーリッツァーを使って"Who Loves Rain"を録音。
音色が最高に気持ちいい。これだ、この音色。
休憩時間に"What's Goin' On"のイントロを弾くと、明石さんに「ウーリッツァーに座るとみんなそれを弾くんだよ」と笑われる。
そして"float"もウーリッツァーで再録。
ここまでは実に簡単。
そして調律も終わり、生ピアノのレコーディング。
"Spanish Ecstasy"
またまたテンポの伸縮に惑わされるも、5、6回演奏するうちに慣れてきて完了。
特にピアノが浮き立つイントロやBメロは生とデジピの差が顕著。
アコースティックって素晴らしい。
"Take Me To The Carnival"
まさに格闘技。
ライブのテンションも振り切るほどの激しい演奏。
指が回る、回る。速弾き、連打と得意技のオンパレード。明石さんも楽しそうだった。
ここで休憩を兼ねて、今度はハモンドB-3。
もう至れり尽くせりですな。名器名器また名器。
このスタジオ最高。
レスリースピーカーからの音量のデカさにびっくり。
そしてあのファストトレモロの高揚、解放、幸福感…
"Trust Your Groove"にゴキゲンなオルガンを挿入。
なぜかレスリーのスロー・ファストスイッチを明石さんが担当し、
エンジニアはアシスタントの方に。
その後、B-3のせいでこの曲のピアノがショボく聴こえ始めてしまい、
この曲も生ピアノに差し替えることに。
さすがに疲労もあって時間がかかってしまったが、なかなかのものが出来たと思う。
ダンスビートだと生ピアノは埋もれてしまう、デジタルピアノのほうが浮き立って聞こえる、という噂もあって少し心配だったが全然そんなことはなかった。マイキングのお陰だろうか。
ここで時間的にはまだ余裕があったが、体力的な限界ということで終了。
レコーディング、もう一日増やして、全曲生ピアノに差し替えるかも。